LIFEライフ 栄養

大野忍が教える
「今」~「未来」に向かうためのカラダづくりの考え方

無断転載禁止 大野忍が教える <br>「今」~「未来」に向かうためのカラダづくりの考え方
写真/安田健示
INAC神戸レオネッサ、そしてなでしこジャパンの“元気印”大野忍。
高校時代から現在に至るまで、どのようにサッカーに取り組んできたのか。
カラダづくりへの高い意識が、未来への道を切り開く。

大野忍への質問

高校時代、何に重点を置いてトレーニングしていましたか? 現在、重点を置いていることは何ですか?
※テクニック、パワー、持久力、スピード、チームワークの5項目について、10段階のレーダーチャートを作ってもらいました。
――記入していただいたレーダーチャートを見ながら話を進めていきたいと思います。まずは高校時代、トレーニングの際に重点を置いていたことは?

テクニックとスピードですね。高校生の時に日テレ・ベレーザに昇格したんですが、当時は自分を出すことが最優先で、そのことに必死になっていました。チームワークが大切であることは分かっていたんですが……。

――ベレーザで大人の選手たちと一緒にプレーすることになり、その中で自分の特長を出すためには、テクニックやスピードを意識することが明確だったということですね。

そうです。今でもそうだったとはっきり言えます。パワーよりもテクニックでした。相手に取られないところにボールを置くことや取られないための体の使い方のほうが重要だったので、パワーよりもテクニック。緩急も重視していたので、スピードへのこだわりも持っていました。

――しかし一方で、持久力への意識は低かったようですね。

正直に言って、持久力に関しては本当に自信がなかったんですよ(笑)。高校生の時もそうだし、今もそうですけど。これに関しては自己評価ですね(笑)。これぐらいしかなかっただろうな、という感覚で、こんなに低い数値になっています。

――90分間の中で自分のプレーを出すためには、持久力は不可欠だと思うんですが。

高校生の時は、そんなこと考えていられなかったですね。90分間、試合に出られるとも思っていなかったですし、与えられた時間の中で頑張るだけでしたから。それもあって持久力への意識が低かったんだと思います。

――今の高校年代の選手たちは、ご自身の高校時代と比べて持久力はいかがですか?

走れてます(笑)。ただ、試合での運動量とフィジカルトレーニングでの持久力の違いは感じますね。トレーニングで『走れるな、この子』と感じることは多いんですが、実際にピッチに立たせてみると走れない。自分が高校生の時は全く逆だったんですよ。トレーニングでは全く走れなかったんですが、試合では与えられた時間内に走り切ろうと思っていました。そこの違いは感じますね。

――それができたのは集中力があったからか、それともメンタルが強かったからなのか。

集中力やメンタルもあったと思いますが、一番は『どう頑張るか』ですね。集中力やメンタルは、小学生でも中学生でも高校生でももちろん大人でも絶対に必要なものです。でも、どこで頑張れるかによって違ってきます。フィジカルトレーニングだけを頑張っていても試合に出られるわけではないので、試合で走り切るためには何をどう頑張ればいいかを意識すれば、グラウンドでも出せるようになると思います。

――もう少し遡って、中学生の頃のサッカーへの取り組み方はいかがでしたか?

甘かったと思います。頑張らなくてもよかったというか、自分よりうまい人がいなかったので、頑張らなければならない場面に直面することがなかった。変なプライドもありましたし。だから高校生の時にベレーザに上がれたのは、自分にとってプラスでした。ベレーザでプレーしていたのは自分にないものをすべて持っている選手たちばかりだったので、その中でできたのは大きかったですね。

――ベレーザに加入して、最初に先輩たちから学んだこと、参考にしたことは?

やりきること。妥協しようと思えばできるし、やめちゃおうと思えばいつでもやめられるんですが、そんな自分の甘さに負けるなと。それを言葉で伝えてくれた人、行動で示してくれた人がたくさんいて、その取り組む姿勢は学ばせていただきました。

――栄養やカラダづくりへの意識は?

練習が夜、終わるのが遅かったので、みんな少しでも早く家に帰って休みたい、という感覚でしたし、自分も高校生で、次の日も学校があるからすぐ帰らなきゃ、という生活でした。食事に関してはあまり気にしたことがなかったですね。

――続いて、プロになってからのパラメータを見ていきましょう

立派になりましたね~(笑)。成長しました!立派ですよ。頑張りました。

――軒並みアップしている中で、大きく上がっているのがチームワークです。

もう絶対、間違いないです。チームワークがなかったら自分が生きないですし、自分も他の選手を生かすことが重要です。勝つためにはチームワークがものすごく大事なんだって、プロになってから気づきました。

――2015年6月から7月にかけて行われたFIFA女子ワールドカップでも、なでしこジャパンのチームワークの良さが話題になりました。

チームが大好きで、チームのためにどう頑張るかを意識したら、自分は持久力が上がりました。チームのために走るのは苦じゃないので、すごく走れるわけではないですが、走れないわけじゃないので走ってみようかな、という感じで。

――確かに、11年大会での大野選手は足元で受けてドリブルを仕掛けるプレーが多い印象でしたが、今年の女子W杯では積極的にフリーランを仕掛け、チェイスもしていました。この4年間で意識が変わったのでしょうか。

本当に変わったと思います。大会後、INAC神戸の松田岳夫監督から『お前があんなふうに褒められるなんて信じられない』と言われたぐらい動いていたみたいです。ものすごく走ったという実感はないんですが、チームのために一生懸命、頑張った結果ですね。4年間で少しだけ成長できたと、小さなガッツポーズぐらいはできるかなって。

――食生活やカラダづくりへの意識で変わった部分はありますか?

2012年にフランス、14年にイギリスと海外にも挑戦したんですけど、食事が合わなかったんです。でも、さらに高いところを目指すために食への意識改善に少しずつ取り組んでいき、イギリスには母が同行してくれて、自分が食べられる料理を作ってくれたので、食事のありがたみが分かりましたし、意識も変わりました。食べることが目的ではなく、自分の好きなサッカーを続け、レベルアップしていくために食事があるんだ、と考えるようになりました。そこは自己管理というか、プロ意識の問題ですね。高校生の皆さんにもそういう意識を持ってほしいですし、まずはどんな状態でも、しっかり食べてほしいです。

――女子W杯のような短期決戦では、練習後、試合後のリカバリーも大切になります。

めっちゃ意識しましたよ。食事と疲労回復のためのアイスバスとザバスのプロテインはマストでした。でも、海外の食事では栄養バランスを考えるのが難しいですし、すごく油っこくて味も濃くて、その中で朝昼晩としっかり食べるなど、できることをやる感じでした。私はクエン酸が採れる梅干しを意識的に食べるようにしていましたね。食事のたびに1個ずつ、試合前にも絶対に食べるようにしていました。

――そうやって高い意識を持って臨んだことが、2大会連続のファイナリストという結果に繋がったと思います。

今回の女子W杯では、『自分たちがチャンピオンだ』という意識はありませんでした。一試合ずつ戦っていって、最後まで進めればいいよねっていう感覚でした。それがよかったのかな、と思います。前回大会のことはいったんリセットして、4年間、努力をしてきた結果の準優勝なので、納得しています。

――全員が同じ目標に向かっていました。

それは断言できます。それがなかったらあそこまで行けなかった。みんなを信頼して、輪になって戦った結果だと思います。

――アメリカとの決勝では、リードされていても攻め続ける姿に勇気づけられました。

下を向いても仕方ないですし、負けているからこそ攻めなきゃいけないというのは、みんなの中にありましたね。『やっぱり勝てないか』ではなく、『まだ時間があるし、自分たちでできることをやろうよ、何か起こるかもしれないし』という感覚でした。誰一人として、諦めている選手はいなかったです。

――4年後に繋がった?

そうですね。自分がかかわれるかは分からないですけど、大会を見ていた選手たち、今の高校生たちが『今度は自分たちがこういうチームを作ろう、これ以上のチームを作ろう』と思ってくれるのを期待していますし、自分もやれる限りはやろうと思っています。

――INAC神戸で目指すものもいろいろあると思いますが、今後の展望は?

誰でも歳は取りますし、もしかしたら『落ちたな』と思われたり、自分でそう思ったりすることもあると思うんですが、どう頑張るか、という部分は何歳になっても変わらないと思うんで、それだけはしっかり持ち続けたいですし、それをピッチの中でどう表現するかを意識していけたらいいなと思います。

大野忍からのメッセージ

「高校時代は、トレーニングと同じぐらい食事にも気を遣ってほしいですね。食べるべきものをバランスよく食べておかないと、体型のバランスが悪くなり、ケガをしやすくなります。バランスのよい食事を心がけることでそれはある程度、予防できますし、私も今はケガをしないために食事に気を遣っています。高校生のみなさんにも、同じような意識を持ってほしいですね。大好きなサッカーを続けるため、レベルアップするためだと考えて取り組んでください!」

FIFA女子W杯の大会期間中はどうしても食事の内容が同じものばかりになったり、疲労によって食欲が減ることもありました。しかし戦い抜くためには、パワーを落とすことはできません。そんな時、スポーツドリンクのようにおいしく飲めるアクアホエイプロテインが役立ちました。速やかなリカバリーにも役立ちますよ。

FIFA女子W杯の大会期間中はどうしても食事の内容が同じものばかりになったり、疲労によって食欲が減ることもありました。しかし戦い抜くためには、パワーを落とすことはできません。そんな時、スポーツドリンクのようにおいしく飲めるアクアホエイプロテインが役立ちました。速やかなリカバリーにも役立ちますよ。
大野忍
大野 忍 SHINOBU OHNO
1984年1月23日生まれ、神奈川県座間市出身。高校生の時に日テレ・ベレーザの一員となって以降、日本女子サッカー界を代表するゴールゲッターとして国内外で活躍。
2011年のFIFA女子W杯でなでしこジャパンの優勝に貢献し、今年のカナダ大会でも全7試合に出場した。

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