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全国強豪校REPORT
野洲高等学校(滋賀県/県立)

無断転載禁止 全国強豪校REPORT<br>野洲高等学校(滋賀県/県立)
文・写真/森田将義

過渡期の野洲が出した答え。個と組織の融合で再び

イメージするのは全国制覇した2006年

「今の野洲って過渡期やねん」。6月のインターハイ予選の際に山本佳司監督はそう口にしていた。陣容をコンパクトに保ちながら、MF望月嶺臣(現・J1名古屋)を中心に自陣から相手ゴールまで徹底したポゼッションで崩し切るスタイルが近年の野洲らしさで、完成度の高さは観る人を魅了したが、「あのサッカーだと、独りでドリブルを仕掛ける奴が出てこない。悩んだのは、次の行き場所。大学やプロに進んでも、同じサッカーをしてくれる所がないから、選手たちが評価されないのかなって思った」と打ち明ける。

イメージするのは2005年に選手権で優勝した年のスタイル。「乾(貴士)がドリブルで抜いて、パスが周りに入ると、テンポ良くボールが繋がっていた。個人技と組織が融合していたから、チームと個人の魅力になって、次のステージに行っても周囲に評価されていたのかなって思う」(山本監督)。幸いにも今年の代は、プロから注目される世代屈指のドリブラーFW村上魁や、MF林雄飛といった個の力で打開できる選手が揃っていた。パスを重視し、コンパクトなサッカーを展開すると、ドリブルで抜けるスペースがなくなり、彼の持ち味が活きない。従来と違って、若干の間延びは覚悟し、長短のパスを使い分け主導権を握りながら、局面は個で打開するスタイルを模索した。

過渡期の野洲が出した答え。個と組織の融合で再び-野洲高-

浸透進む2015年の野洲スタイル。新たな歴を拓けるか。

だが、インターハイ予選は準決勝で敗れ、2年連続で出場していた全国の舞台を逃す結果に。「公式戦で自分の魅力を出す事をうるさく言って育ててきたから、結果よりも、力を出し切れへんかったことが残念」と山本監督は悔やんだが、敗戦を機に選手たちの気持ちにスイッチが入った。林は「山本先生も今年にかける想いは強いと思う。インターハイ予選の時に、山本先生から真剣な表情で『頼むぞ』って声をかけられたのですが、1、2年生の時以上に『山本先生のためにも頑張らなアカン』って思いました」と当時を振り返る。

夏以降は、チームとして目指す方向が明確になってきた。以前よりもゴールに向かう回数が増えただけでなく、「攻撃からというより、まず守備からとコーチ陣に言われている」と林が話すように、「粘り強さ」をテーマに冨田享、川瀬相のCBコンビを中心に守備の意識も高めた。10月には滋賀県1部リーグで優勝し、来年からのプリンスリーグ関西昇格を決めるなど状態は上を向いている。「今年のやろうとしているサッカーというか方向性がチームとして、理解できてきている」と山本監督が評価するように、選手権への準備は順調だ。過渡期を乗り越え、新たな野洲の歴史を拓けるか注目だ。

過渡期の野洲が出した答え。個と組織の融合で再び-野洲高-

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