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全国強豪校REPORT
富山第一高校(富山県/私立)

無断転載禁止 全国強豪校REPORT<br>富山第一高校(富山県/私立)
文・写真/森田将義

頂点の先に待ち受けた苦難の連続

日本一以降は、3大会連続で県の準決勝敗退

選手権予選の準決勝の水橋高に勝利した富山第一高の大塚一朗監督はホッとした表情を浮かべた。この一戦に向けての気合は凄まじく、「サッカーの神様にちょっとだけ運を貰ってきました」と笑ったように、ベンチにサッカー日本代表のエンブレムでお馴染みの「ヤタガラス」を祀る富山市の奥田神社で貰った清めの塩を用意するほど。主将のDF早川雄貴が「準決勝を勝つことをまず考えていた」と話したように選手たちも、この一戦にかける想いは強かった。

試合時間残り5分を切ってから2点差を追いつき、延長戦で星稜高を下し、選手権を制したのは2014年1月13日。劇的な形で初優勝を手にしたものの、昨年はインターハイ、選手権ともに準決勝で敗れ、全国の舞台に立てず。2011年の開始初年度から在籍した「プレミアリーグWEST」からも降格し、苦しい一年を過ごした。今夏のインターハイ予選でも、富山工業高に21本ものシュートを放ちながらも、ゴールが生まれず準決勝で涙を飲むことになった。

志向するサッカーは日本一の時と変わらない。状況判断を大事にし、相手や試合状況に応じて、臨機応変に戦術を変更する戦いは高水準。緻密に練られた相手の意表を突くセットプレーも健在だ。だが、頂点に立ってからは3大会連続で県の準決勝敗退。冒頭のように、指揮官がサッカーの神様に力を借りる気持ちもよく分かる。

頂点の先に待ち受けた苦難の連続-富山第一高校-

最後の大会に向け、精神的に成長。レジェンドの激励も励みに

もちろん、運だけを負けた理由にはしない。「予選ではいつも『勝たなければいけない』というプレッシャーがある。相手にも『勝ちたい』という思いがある」。指揮官がそう表現するように、王者だからこそ難しい県予選を勝ち抜くために、「一年生の時に優勝を見ているので、『僕らも優勝できるだろう』という甘い考えがあった」という選手たちの“ココロ”の成長を待った。

選手に変化が生まれたのはインターハイに負けてから。「ラストの選手権は何が何でも全国に出ると決めていた」(DF放生祥季)選手たちは、授業態度に挑む姿勢をこれまで以上に正し、落ちているゴミ拾いを率先して行うなど日常生活を見直した。放生は「プレーは私生活にも出てくるから、ちゃんとすれば選手権でも勝てるんじゃないかって思った」と振り返る。

成果はすぐに表れ、夏に茨城県鹿嶋市で行われたフェスティバルで優勝。激励に訪れたOBの柳沢敦氏(現・鹿島コーチ)の「富山第一が活躍することで、自分の自慢話になる。まずは結果を残せるように選手権で頑張って」という言葉も選手の背中を押した。「自分たちだけでやっているのではなく、色んな人が関わっているんだって意識が出たと思う。重荷になるんじゃなく、良い緊張が生まれた」(大塚監督)。

“鬼門”だった準決勝を乗り越え挑んだ富山東高との決勝戦でも2-0で勝利し、日本一になって以来の全国に立つ。ジェットコースターのような日々を過ごした2年間。苦しみを乗り越え、ラストに見る景色は選手たちの心に描かれているはずだ。

頂点の先に待ち受けた苦難の連続-富山第一高校-

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