PICK UPピックアップ footies!' eye player

前谷慧(広島皆実3年/FW)
遅れてきた背番号10

無断転載禁止 前谷慧(広島皆実3年/FW)<br>遅れてきた背番号10
文・写真/森田将義

遅れてきた背番号10

エースナンバーを授かるも、定位置はベンチ

他とは違う何かを持った選手であるのは一目見て、明らかだ。武器は高い技術力。ドリブルとパスを巧みに使い分け、攻撃の起点になるだけでなく、中学時代には全国大会で得点王となったように、決定力の高さも魅力の一つ。それは広島皆実に進んでからも変わらず、攻撃センスはチームでも頭一つ抜けた存在で、3年生となった今年は10番を与えられた。

ただし、新チーム立ち上がり当初はベンチが指定席。出場機会が訪れても、そのほとんどが後半から。明確な武器がある一方、本人が「守備がまったくダメで。守備ができないから、やれない。守備がやれないから、できないという感じでしたね」と振り返るように、欠点も明確。フォアチェックやセカンドボールの回収など、守備意識の欠如が致命傷となり、スタメンの座を掴めていなかった。

転機は6月のインターハイ予選。思うように出番を得られない日々から、「監督からはなぜ試合で使ってもらえないのか教えてもらえなかったので、何が自分に足りないんだろうなって思って色々、考えました。そうした中で、守備ができないことに気づいて、守備ができれば試合に出られるんじゃないなかって思ったんです。それと、守備がないと攻撃はできないので、まずは守備を頑張ろうって思えるようになった」と変身し、本来いるべきはずのスタメンに戻った。

前谷慧(広島皆実3年/FW)

守備によりプレーに変化。選手権で夏の8強越えなるか

今年はもともと、守備の堅さに定評がありながらも、攻撃力に不安を残す代だっただけに、彼の存在は大きなモノ。担任も務める河江俊明監督が、「教室でも相当、怒鳴ってきました」と苦笑いしつつ、「きちんとハードワークできるようになってきたし、上手く行かなくても、やるべきことが分かるようになってきた。コツコツやるようになった結果、ボールが集まってきたと思う」と成長を話す。

8月のインターハイでは、得点力不足に泣いたこれまでとは打って変わり、劣勢を強いられながらもチームは毎試合得点を記録。前谷自身も2得点を奪い、8強入りの原動力となった。得点力アップは「皆のシュート意識が高まった」と前谷が話すようにチーム全体での変化はもちろん、ボールを獲られても、すぐ守備に切り替えるようになった前谷の変身により、2次3次攻撃に繋げられるようになったことも理由の一つだろう。

インターハイ後には、「目指していたのはベスト4以上なので悔しいけど、選手権には繋がると思う」と口にしつつ、「10番を背負ってプレーできるのは嬉しいこと。プレッシャーもあるけど、良いプレッシャーだと思う」と続けた。遅れてきた10番の活躍次第で、選手権で夏以上の結果も見えてくるはずだ。

前谷慧(広島皆実3年/FW)
Photo:Masanori Morita
前谷慧 MAETANI KEI 広島皆実高校3年/FW
1997年7月21日 172cm/59kg 広島県出身。中学時代はFCバイエルンツネイシに所属。3年次には全国9地域の予選上位チームが参加する「日本クラブユース選手権(U-15)大会 デベロップカップ」で10得点を奪い、得点王に。今年のインターハイでは初戦となった2回戦の徳島市立戦で2ゴール。準々決勝の関東第一戦では惜しくも敗れたが、2得点に絡む活躍を見せた。

CONTENTS新着記事一覧 Readmore

最新コンテンツをもっと見る

NEWS最新ニュース Readmore

最新ニュースをもっと見る