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2012プレミアリーグ&プリンスリーグ展望
2年目に突入する全国リーグの行方。

無断転載禁止 2012プレミアリーグ&プリンスリーグ展望<br>2年目に突入する全国リーグの行方。
文/小澤一郎、写真/藤井隆弘
全国リーグが整備され、プレミアリーグも2年目に突入した。ホーム&アウェイの長期リーグ戦により、選手たちは公式戦出場の機会に恵まれる傾向が強まっている。課題は残されているが、プレミアリーグ誕生により、ユース年代の育成は、確実に新たな一歩を踏み出している。
プレミアリーグ&プリンスリーグ概要
概要 プレミアリーグは東西各10チームが別れてホーム&アウェイの2回戦総当たりによるリーグ戦を行う。各優勝チームがチャンピオンシップに出場。東西の優勝チームが日本一を懸けて一発勝負の試合を行う。各下位2チームは地域のプリンスリーグへと降格。
各地域のプリンスリーグ優勝チームはプレミアリーグ参入戦への出場資格を獲得。参入戦で勝利した4チームが次年度のプレミアリーグへの出場資格を得る。地域によってはプリンスリーグも2部があり、その下には各都道府県リーグがあり、道は下から上へとつながっている。
プレミアリーグ&プリンスリーグ

プレミアリーグ初代王者にはサンフレッチェ広島が輝いた

東西各10チームに分かれた国内ユ ース年代(2種)最高峰のリーグとしてプレミアリーグが創設された昨年、イースト(東)ではコンサドーレ札幌U−18、ウエスト(西)ではサンフレッチェ広島F.Cユースが優勝。日本一を決めるチャンピオンシップでは、広島が3−1で札幌を下して初代王座の座に就いた。
プレミアリーグの下には全国9地域のプリンスリーグ、その下には都道府県リーグとつながっており、高体連、Jユースの垣根がない階層化されたリ ーグ戦は、今年も4月-12月までの8カ月に渡り各地で繰り広げられる。大会フォーマットの統一も進み、今や都道府県リーグにおいてもホーム&アウェイによる2回戦総当りのリーグ方式で、昇格・降格を争うレギュレーションが採用されるようになってきた。
リーグ戦化が進む中、有望なタレントがJユースに流れる傾向は近年より顕著となっているため、やはり上位のリーグや順位にJユースが食い込む傾向もはっきり出てきている。例えば昨年のプレミアリーグの最終順位を見ると、東(1位:札幌、2位:東京ヴェルディユース、3位:清水エスパルスユース)、西(1位:広島、2位:京都サンガF.C.U-18、3位:セレッソ大阪U-18)と上位3位までをいずれもJユースが占めている。今年も東西ともに昨年の上位3チームを中心とした優勝争いが繰り広げられていくことだろう。
とはいえ、東には流通経済大学付属柏高校、静岡学園高校、青森山田高校、西には東福岡高校、富山第一高校とい った高体連の雄たる強豪校が控えており、そうした高体連のチームはJユースを倒す『金星』を高いモチベーションにしながら毎週末、Jユースを苦しめることになるだろう。

全国9地域に分かれているプリンスリーグも熾烈に

一方、全国9地域で開催されるンスリーグについてもハイレベルな戦いが期待される。
特に強豪ひしめく関東は1部、2部ともに即プレミアリーグ入りしてもおかしくない実力派が揃っている。なかでも昨年、メキシコで行われたU-17ワールドカップに出場した2選手(中村航輔と秋野央樹)を擁する柏レイソルU-18、高校サッカー選手権優勝校である市立船橋高校は、来シーズンのプレミアリーグ昇格候補として注目したいチーム。関西でも、Jユース勢としては唯一プリンスリーグを戦うとともに、復活を誓うガンバ大阪ユースや前々回の選手権優勝校である滝川第二高校が関西1部に控えている。
加えて注目したいのがプリンスリーグ東北と北海道。これまでこの地域では、現在プレミアリーグに所属する青森山田高校と札幌が群を抜く実力と選手層を誇り、地域リーグでの試合では常に圧勝するような実力差が他チー旭川実業高校がプレミアリーグに昇格したこと、前回の選手権で福島県の尚志高校がベスト4入りを果たしたこと、それから今年のプリンスリーグ東北1部にJFAアカデミー福島が昇格したことなどもあり、北国の競技レベルは着実に上がっている。
このように年間を通した真剣勝負のリーグ戦は、国内ユース年代における地域差の解消や各地域における競技力向上に大きく寄与していると言っていいだろう。

全国リーグ醸成により出場機会は増える傾向にある

プレミアリーグという全国リーグができて1シーズンを終えたユース年代。そのリーグを戦ったチームは全国で20チームしかないものの、そこを頂点としたリーグ戦文化の醸成については大半の指導者が好意的な意見を寄せる。階層化されたリーグ戦システムができあがるまで、「公式戦」というと、各チームのレギュラークラス20名前後にしか出場機会がなかったが、今や強豪校のみならず複数のチームをリーグ戦登録する高校が増えている。
当然ながら、長らく問題視されてきた『補欠』という存在は解消する方向に向かっている。もちろん、リーグ戦の導入ですべての問題が一夜にして解決したわけではない。特に始まったばかりのプレミアリーグにおいては、東西に分けてはいるが、試合をこなすため各チームは毎週末長距離移動を強いられる。負担が一部ではあっても移動費、宿泊費の金銭的な負担について特に高体連のチームにとっては難しい問題となっており、前泊や後泊を伴う場合、学校から公欠が出ないという点もスタート当初から問題視されていた。
高体連のチームの中には、プレミアリーグ参加を初めから視野に入れていないところも少なくなく、先日も取材をした、ある強豪校の監督が「現状では移動の少ない地域のプリンスリーグでの戦いのほうがチーム力を上げることができると思う」と本音を語っていた。ただし、元に戻るがリーグ戦の目的、効果はチーム強化のみならず、多くの選手に公式戦への出場機会を与えることにより普及を図れる点にある。県リーグではあっても目の前の戦いが翌年のプリンスリーグ、その次のプレミアリーグにつながっていることを感じながら、毎週末トライ&エラーを積み重ねていくことが最も大切なこと。
敢えて、今年はどこが強い、どの選手がすごいという展望を語ってこなかったのは、ユース年代の育成においてトップレベルのエリート育成がすべてではないから。そのことはここで改めて確認しておきたい。

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