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岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)
高校ナンバーワンストライカーが予選準決勝で流した涙の理由

無断転載禁止 岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)<br>高校ナンバーワンストライカーが予選準決勝で流した涙の理由
文・写真/森田将義

高校ナンバーワンストライカーが
予選準決勝で流した涙の理由

「勝ちたい想いが強くなった」前日のミーティング

「最近、涙もろいんですよ」。京都橘高校のFW岩崎悠人は、第95回全国高校サッカー選手権の京都府予選準決勝の東山高校戦を振り返りながら、苦笑いした。きっかけは試合前日に起きた出来事。チーム全員がミーティングで自分たちの想いを打ち明けた時のことだ。「『試合に出られなくても、応援でメンバーを支える』というメンバー外の選手の想いを聞けて、勝ちたいという想いが強くなった」と岩崎は振り返るように仲間への想いを強くする一件となったが、気持ちとは裏腹に試合では苦戦を強いられる。出鼻を挫かれ、開始2分に先制点を奪われると、同点ゴールが獲れないまま前半が終了した。

「このままだと高校サッカーが終わってしまう。皆でやれるのも今日で最後か」。ハーフタイムにそんな不安が頭をよぎる中、後半が始まるピッチに向かうとスタンドにいた応援団長・船木涼伍の姿が目に入った。岩崎と同学年の彼は大会に挑むメンバーから漏れた一人。前日のミーティングでは彼が最初に涙を流しながら、チームメイトへの想いを伝えた選手だった。「このまま試合が終わったら涼伍の高校サッカーが終わってしまう」。ピッチに立つ選手と円陣を組むと、自然と涙がこぼれた。

後半12分に豪快なボレーシュートを叩き込み、同点に追いつくと安心感からか、またもや涙腺が緩み、涙目になりながらチームメイトや米澤一成監督が待つベンチに駆け寄った。36分には自らが得たPKを決めて勝ち越しに成功すると、ラストはFW堤原翼がダメ押しゴールを決めて3-1でタイムアップを迎えた。続く決勝の京都産業大学附属高校戦はゴールこそ奪えなかったが、周囲を活かすプレーで勝利に貢献。選手権出場を手にしたことで、苦楽を共にしてきた仲間たちとの高校サッカーはまたしばらくの間続くことになった。

岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)

多忙な日々の中で強くなる3年生への想い

「『どこのチームに所属してるねん』ってよく言われる」と笑うようにこの一年、年代別代表の活動やJクラブへの練習参加で京都橘から離れることが多く、岩崎は多忙を極めた。特に10月はAFC U-19選手権に参加したため、チームに合流できず。今予選もチームに合流した2日後に試合に挑むという強行スケジュールで迎えた大会だった。

ただ、チームから離れている間もチームメイトの支えは大きかった。「キャプテンなので背負っている想いが僕らとは違う。だから僕が支えなければいけないと考えていた」という堤原は岩崎が海外にいる間もこまめに連絡を取り、チーム状況を伝えることで、戻ってきてすぐチームに馴染める状態を作った。他の選手も「俺が陰になるから、お前が光れよ」などと言葉を岩崎にかけ、サポートを誓った。

岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)

自分のことを想ってくれる仲間がいる。そんな事実が、また岩崎の想いを強くさせる。「3年目なんで、僕らの代への想いは本当に強い。活躍したいのはしたいけど、今は自分のためじゃなく、3年生のためにプレーしている。1日でも長く皆とサッカーがしたい」。そう話す岩崎は、来年1月9日埼玉スタジアムでチームのために活躍することしか考えていない。

岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)
岩崎悠人(京都橘高校3年/FW)
Photo:Masayoshi Morita
岩崎悠人 IWASAKI YUTO 京都橘高校3年/FW
1998年6月11日生まれ 170cm、67kg 滋賀県出身。
彦根中央中学から京都橘高校へと進学。入学前からスタメンの座を掴み、1年目から選手権ベスト8を経験。大会後にはU-17日本代表入りを果たした。今年はAFC U-19選手権でも活躍し、来年行われるU-20ワールドカップへの出場権獲得にも貢献。来季からの京都サンガF.C.入団が内定している。

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