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第95回全国高等学校サッカー選手権大会 総括 SUMMARY

無断転載禁止 第95回全国高等学校サッカー選手権大会 総括 SUMMARY
文/池田敏明 写真/藤井隆弘、山口賢二郎

波乱含みの大会で、最後に笑ったのは青森山田だった。結果的に堅守速攻のチームの躍進が目立った今大会、勝敗を分けた要素は何だったのか? 3年後の“東京五輪”へと続く、彼らの激闘を振り返る。

波乱が続いた大会だが最後は実力差が如実に

夏・冬連覇を目指した市立船橋が二回戦で、そして冬の2連覇を狙った東福岡が準々決勝で姿を消す一方、大会前は優勝候補に挙がらなかった前橋育英や佐野日大、東海大仰星が4強に進出するなど、今回の選手権は“波乱含みの大会” だったと言える。その中で自分たちの実力を存分に発揮し、勝負強さを見せ続けた青森山田は優勝にふさわしいチームだった。決勝では前橋育英の猛攻を浴びて何度かピンチも招いたが、守るべきところを守り、決めるべきところを決めるという基本的な部分で相手との差が如実に現れ、終わってみれば5-0と大差をつけてのタイトル獲得となった。
また今年は暦の関係により、ほとんどの試合が中1日での開催というハードスケジュールを強いられる中、選手のコンディション維持やメンタル面においても、青森山田は他のチームを上回っていたと言えるだろう。

ポゼッションから堅守へ戦術トレンドも変化の兆し

戦術面に目を転じると、5パックの布陣を駆使して4強進出を果たした佐野日大や、連動するプレ ッシングと速攻で東福岡を破った東海大仰星、鋭いショートカウンターを武器に埼玉県勢として久々に8強入りした正智深谷など、堅守速攻を特徴とするチームの躍進が目立った。
優勝した青森山田も、5試合で20 ゴールを奪った攻撃面ばかりがクローズアップされがちだが、守備が安定していたからこそ、落ち着いた試合運びをすることができていた。近年の大会ではどのチ ームもポゼッションを高めた攻撃サッカーを志向していたが、世界のサッカーのトレンドがポゼッションから堅守速攻へと移行しているのと連動するように、守備に重きを置いたチームが上位に勝ち進んだのは興味深い。一方で野洲や聖和学園は愚直なまでのポゼッシ ョンスタイルを実践し、準優勝した前橋育英も、テンポよくパスを繋ぐ本来のスタイルを貫き通した。戦況に応じてフォーメーションを変える“可変システム”を採用しているチームもあった。今後は各チームが戦術に趣向を凝らし、よりハイレベルなせめぎ合いが見られることを期待したい。
個人記録に目を転じると、6ゴールで得点王に輝いた鳴海彰人、5試合連続得点の高橋壱晟、3得点の嵯峨理久と青森山田勢が上位を独占した一方、その他のチームの選手はやや低調だった。大会総得点は122と、124得点だった前回、126得点だった前々回とは大差がない。一部の選手がゴールを量産するのではなく、多くの選手がゴールを決める傾向は、今後も続くのではないだろうか。



得点ランキング

鳴海彰人
鳴海彰人
  • 1位 6得点
  • 鳴海彰人(青森山田)
  • 2位 5得点
  • 高橋壱晟(青森山田)
  • 3位 3得点
  • 溝田大輝(滝川二)
  • 小山開喜(正智深谷)
  • 松井修二(東海大仰星)
  • 嵯峨理久(青森山田)


鳴海彰人
Photo:Kenjiro Yamaguchi
波乱の展開となった今大会。杉岡大暉、原輝綺、高宇洋のプロ内定選手を擁した夏の覇者・市立船橋は、またもPK 戦で敗れ二回戦敗退。連覇を狙った“赤い彗星”東福岡は、伏兵・東海大仰星に0-1の惜敗でベスト4に残れず

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