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初出場校が見た選手権
関東第一(東京)

無断転載禁止 初出場校が見た選手権<br>関東第一(東京)
取材・文・写真/編集部 写真/藤井隆弘、山口賢二郎

今大会で関東一、鵬学園(石川)、中京(岐阜)、海星(三重)、岡山学芸館(岡山)の5校が選手権デビューを飾った。 「5/48」、この数字が選手権出場の壁の高さを物語る。大会後、東京代表の関東一高を取材した。

SPECIAL INTERVIEW 小野貴裕監督
「“満足して終わるチームはない”それが選手権だと思います」

─監督就任6年目、創部35年にして選手権初出場を果たしました。大会を終えての率直な感想を

「 選手権は長年思い描いた舞台だったので、その意味では時間をかけてここまできました。ですので、周りの方が思っているよりも“初出場”という感覚はなくて、しっかりと準備・心構えができて臨んだ大会でした」

─初戦の野洲戦ではGKの負傷交代などアクシデントもありました。

「 そうですね。そして代わりに北村海チデイ(1年) が急遽出場して活躍したこと、初めて先発出場した選手がいたこと、それらを含めて、この1年で想定してきたことなので慌てることはなかったです。試合前に気持ちが昂ることもなかったのですが、むしろ大会が終わってから“これが選手権なんだな”と感じています。そして、また出場したいという思いが強く、強くあります」

Photo : Kenjiro Yamaguchi
開幕戦
開幕戦の野洲戦では2年生FW重田が得たPKを主将のMF冨山大輔(3年) が冷静に沈め、初出場初勝利。

大会を終え、その思いを強くしている感覚でしょうか?

「 そんな感じだと思います。二回戦の正智深谷戦で、あの負け方(数的優位の状態で試合終了間際に同点に追いつかれ、アディショナルタイムで逆転負け)だったので、それを消化するまでに時間はかかりました。でも、いろんなものを整理していくと、選手権に出る前と出た後では、見えてくるものが違います。一度選手権を経験したチームが連続で出場したり、常連校が勝ち続けているのは、大会を通して勝負どころをしっかりとおさえているのだと思います。正直、僕はまだそれが分かりませんが、大会を経験したことで、“選手権”を俯瞰してみることができています」

─インターハイではベスト4の実績がありますが、それでも選手権は違いましたか?

「 やっぱり違いますね。世間の関心度はもちろんですが、関わる人の想いが本当にたくさんあって、成り立っているのだと思いました。今回のチームは我慢強い子が多いので、開幕戦という注目が集まる舞台でしたが、野洲に攻め込まれても、ピッチの選手たちが慌てている様子はなかったです。ただ、二回戦の正智深谷戦では、最後に気持ちで負けてしまった。選手権という舞台が「これで最後」という感情を引き起こし、想像をはるかに上回るパワーを選手に与えます。それに耐えうる強度を持っていないと、選手権で勝ち切るのは難しい。選手権で勝てるチームは、選手権で勝つための練習をしているのだと思いました」

─これが最後の大会となる3年生には、試合後にどのような言葉をかけられたのでしょうか?

「 ……感謝しかなかったですね。都代表に決まってからの一カ月、自分たちが準備したものを全部出し切れるだけの、ものすごいステージが待っているわけじゃないですか。素直に楽しかったです。そんな夢のような時間を彼らが勝ち取ってくれた。負けはしましたが、それを乗り越える意志を1、2 年生たちは受け継いでくれたと思うし、3年生たちには感謝しかありません。もちろん、僕の中でゲームの分析はできていますよ。でも、それは3年生たちには伝えてはいません。あの瞬間にそれは必要なかったです」

Photo : Kenjiro Yamaguchi
北村海チデイ
正GK内野将大(3年) が負傷するアクシデントで急遽出場した1年生の北村海チデイ。高い身体能力でビッグセーブを連発した。

─敗退という結果より、得るものの方がはるかに多かったと。

「あの大会は、満足して終わるチームはないんだと思います。高校生にとって地区予選でも負けても全国で負けても悔しさは残ります。ただ、あの舞台で経験した悔しさは次の人生に絶対つながります。そしてそんな特別な舞台に、我々はまた挑みたいと思います」

小野貴裕 監督
小野貴裕 監督 TAKAHIRO ONO
● 1980年6月12日生まれ、神奈川県出身。日本大学高校、日本大学サッカー部を経て、2010年より関東一高サッカー部の監督へ就任し、2015年にはインター ハイベスト4の結果を残す。そして2016年、創部35年目にして選手権初出場へと導く。

重田 快(FW/2年)

「初めての選手権でしたが緊張せずにプレーできました。選手権を経験したからこそ、また出たいという思いがより強くなりました。野洲戦ではリラックスして、PK 獲得に貢献できて良かったです。バンデリージャ横浜というクラブでドリブルを磨いてきたので、特に野洲には負けたくないと思ってました。これからは点を取れる選手になります!」

篠原友哉(MF/2年)

「自分の力のなさを痛感しました。ひっくり返されてばっかりで、プレスをかけても簡単にかわされて…。 2試合フル出場させてもらいましたが、関東一を最後に勝ち切れるチームにしたいと思っています。個人としてはフィジカルレベルを上げて、足元の技術をもっと磨いて、スムーズにボールを運べるようにしたいです」

小野凌弥(DF/2年)

「個人的には初出場にしては手ごたえを感じています。ただ、野洲も正智深谷も全体的にスピードが速く て、追いつけていないと感じる部分もありました。これまで3年の冨山大輔君がまとめてくれて、すごく頼りにしてきました。今年は僕、重田、篠原と選手権を経験した3人が、よりチームを上に行けるように引っ張っていきたいです」

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