TRAININGトレーニング テクニック

欧州式U-18スキルアップメソッド
タワーゲーム

無断転載禁止 欧州式U-18スキルアップメソッド<br />タワーゲーム
取材/編集部 構成/池田敏明
FCバルセロナのキャンプやスクールでテクニカルディレクターを務めたココ氏がスキルアップに効果的なトレーニングをレクチャー!

ピッチを広く使いながら、縦方向への意識を高めていこう

前回はポゼッションをベースとし、できるだけボールをキープする、というトレーニングをレクチャーをしました。前回のトレーニングを通じてプレーヤーに伝えたかったことは、どんな方向にもボールを運べるようにしなければならない、ということ。つまりピッチを広く使い、スペースを勝ち取ることを意識してほしかったのです。

試合では通常、チームが攻めるのは一方向のみ、つまり、相手ゴール方向へとボールを運んで行くことになります。前回、説明したトレーニングはポゼッションの練習であり、ゴール方向だけでなく前後左右と様々な方向にボールを運ばなければなりませんでしたが、今回は相手ゴール方向に攻めることを意識したトレーニングをレクチ ャーしたいと思います。前回のトレーニングでピッチを広く使うという意識づけができたと思うので、今回はピッチを広く使いながら、相手ゴール方向へと攻めていく意識を高めていきましょう。

Lesson1縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム

縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム 縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム
縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム 縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム

20m四方のグリッドをつくってハーフウェーラインを引き、エンドゾーンとフロントゾーンに1人ずつフリーマンを置いて、3人対3人のゲームをします。ピッチの広さやレベルに応じて4人対4人、5人対5人で行ってもいいですし、グリッドの中央にもう1人、フリーマンを置いてもいいでしょう。ゲームの名前は「タワーゲーム」と言います。選手たちの動きが、チェスの「タワー」に似ているからです。

前後左右に自由に動ける「ルーク」のことで、ココさんの出身地スペインでは、駒の形から「タワー(スペイン語では『トーレ』)」と呼ばれています。

縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム
縦方向への攻撃を意識したタワーゲーム

目的は、フロントゾーンにいるフリーマン目がけて攻め、フリーマンにボールが渡ったら今度は攻める方向を変え、エンドゾーンのフリーマン目がけて攻めることにあります。ボールが渡ったら再び攻める方向を変え、それを続けていきます。ライン上にいるフリーマンにボールが渡ったら1ポイントとし、10ポイント先取などのルールで行ってください。

ONE POINT ADVICE

両チームとも、前方の攻撃意識を持つことが大切ですが、前回のトレーニングで実践したように、あらゆる方向にボールを運べなければ、結果的に前方にボールを運ぶことができなくなります。
様々な方向にボールを運びながら、ゴールを目指す意識を持って取り組んでください。もう一つ、フリーマンにボールが渡ったらすぐに逆方向に向けて攻めなければならないので、素早く意識を切り替えて動き出すことを心掛けてください。

Lesson25~8mのスペースにボールを運ぶタワーゲーム

5~8mのスペースにボールを運ぶタワーゲーム
5~8mのスペースにボールを運ぶタワーゲーム

30m~50m四方の大きなボックスを作ってハーフウェーラインを引き、ゴールラインの後方に幅5~8mのエリアを作成して、5人対5人のゲームを行います。6人対6人、7人対7人でも問題ありませんし、必要に応じてピッチ内にフリーマンを1人いれてもいいでしょう。

5~8mのスペースにボールを運ぶタワーゲーム
5~8mのスペースにボールを運ぶタワーゲーム

ゴールラインの外にある5~8mのエリアにボールを運ぶことが目的です。ディフェンスラインとGKの間のスペースに走り込んで縦パスを受けるイメージで、走り込む選手にパスを通すのが一つの方法ですが、DFがいてパスを出せない場合は、ボールホルダーがドリブルで自ら攻め込んでいっても構いません。Lesson1の「タワーゲーム」同様、5~8mのエリアまでボールを運んだら1ポイントとし、運んだらすぐに逆方向に攻めるようにします。もう一つのルールとして、ハーフウェーラインを超えていれば、途中で攻める方向を変えてもいいです。チーム全体の意思統一と素早い判断が必要になります。

ONE POINT ADVICE

ゴールライン後方のスペースはなるべく狭くしてください。試合をイメージしてもらえば簡単なのですが、ゴール前へのパスが強すぎたり大きすぎたりすると、GKが出てきてクリアされてしまうので、いいパスとは呼べません。適度な強さのパスを出すことが重要で、パスの正確性、精度を上げるためにも、5~8mが理想的です。パスやドリブルに制限を設けず、攻める方向を自由に変えられるのは、プレーヤーたちの可能性を閉ざさないためです。「ダメ」と言うのではなく、他の選択肢を見つけさせ、考えながらプレーさせることが大切なのです。

Lesson36人対4人を打開するタワーゲーム

6人対4人を打開するタワーゲーム
6人対4人を打開するタワーゲーム

50×60mの大きなボックスを作り、コートを縦に三等分します。中央のエリアが攻撃チーム、左右のエリアに守備チームがそれぞれ6人ずつ入り、6人対6人対6人という変則的なゲームを行います。ゴールを置き、GKも1人ずついれてください。攻撃チームのボールキープからゲームをスタートさせます。

6人対4人を打開するタワーゲーム
6人対4人を打開するタワーゲーム

守備チームからはDFがそれぞれ1名ないし2名、ラインを越えてボールを奪いに行くことができます。一度ラインを超えた選手は、プレーが切れるまで自陣に戻ることはできません。両サイドの守備チームから2人ずつが中央のエリアに入ってきた場合は、6人対4人のシチ ュエーションになります。攻撃チームはどちらのサイドに攻めても構いません。シュートが決まったらもう一度、中央からゲームをスタートさせます。守備チームがサイドの守備エリアでボールを奪ったら、中央エリアにいるDFにボールを渡してください。守備チームが中央エリアでボールを奪ったら、自分が来たDFエリアの選手にボールを渡してください。パスが通ったら攻撃チームと入れ替わりとなり、また中央からゲームを始めます。

ONE POINT ADVICE

重要なのは、攻撃チームが、慌てずに6人対4人というシチュエーションをしっかり打開することです。1人がボールを持って攻めようとした時、他の5人がまったく準備できていなければ意味はありません。周囲をしっかり見て、連動した攻撃ができるように工夫してください。発展版として、守備側にコーチを1人ずつ置き、攻撃チームに内緒で中央のエリアに入るDFをもう1人増やしてみる、というのがあります。片方から3人でもう一方から1人など、人数をアレンジしてもいいです。攻撃チームは素早く状況を判断し、守備の手薄なエリアに攻め込まなければなりません。

ジョゼップ・フェーレ・イバルス
監修 ジョゼップ・フェーレ・イバルス Josep Ferre Ybarz
1983年11月26日生まれ。世界各国で開催されたFCバルセロナのキャンプやオフィシャルサッカースクールでテクニカルディレクターを務め、2011年からはバルセロナ・サッカー・アカデミーの戦術部門の責任者を務めた。UEFAプロライセンスを所有している。愛称は「ココ」 。
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