TRAININGトレーニング テクニック

SPECIAL INTERVIEW
原口元気(ヘルタ・ベルリン)

無断転載禁止 SPECIAL INTERVIEW<br>原口元気(ヘルタ・ベルリン)
インタビュー・文/池田敏明

欲求を爆発させて、もっとギラギラしてほしい

ヘルタ・ベルリンに移籍して3シーズン目を迎えた原口元気。環境の変化に戸惑う時期もあったが、これまで積み上げてきたトレーニングの成果が少しずつ発揮されているという。16-17シーズンの飛躍に期待せざるを得ない。

シーズン前のトレーニングは順序を間違えないことが大事

─時期によってトレーニングの方法や意識すべきことに違いがあると思うのですが、シーズン前のトレーニングで意識していること、心がけていることは何でしょうか。
「僕の場合、シーズンが終わると毎回、1週間から10日間ぐらい丸々休んで、すべてをリセットします。その後、新しいシーズンに向けて最初に考えるのは、急ぎすぎてトレーニングの順序を間違えないこと。トレーニングの順序はすごく考えますね」
─「順序」とは?
「いきなりスプリント系やラップ系のトレーニングから入ると、筋肉系のケガをしてしまう恐れがあるので、まずは体を馴染ませるようなトレーニングから始めて、徐々に負荷を上げていくよう心がけています」
原口元気
─例えばフィジカルを鍛えたり、持久力を高めたりというのは、シ ーズン前のいつ頃の時期から取り組み始めるのでしょうか。
「フィジカル的なコンディションを上げるのは、もちろんチームのトレーニングでもやります。僕の場合はプロになってからもう7、8年が経ちますし、だいたいの流れが分かるので、チームに合流する前にコンディションをちょっとずつ上げるのはもちろんですけど、より専門的なトレーニングもしています。僕はスプリントの能力を上げたいので、そのような技術的なトレーニングもやります」
─シーズンに入ってからはいかがですか。
「シーズンに入ってからも変わらないです。もちろんチームのトレーニングが最優先なので、その前後にフィジカルトレーニングなどを入れますね」
─シーズンに入ってからも、自主的にトレーニングするのですね。
「もちろんです。チームには選手が30人近くいるわけじゃないですか。 30人いたら、本当に30通りの特徴があるので、すべての選手にと って完璧なトレーニングができるわけないんですよ。僕だったらポジションがウイングで、上下動やスプリント回数が多いので、そのための能力を上げていかなければならない。それはチーム全体のトレーニングだけでは補えないので、個人的なトレーングをします」
─スプリントを上げるトレーニングで言うと、最近はスプリント専門のコーチに指導を受けるケースも増えていますが、原口選手はいかがでしょうか。
「僕は2年半ほど前から筑波大学の陸上部の先生から指導を受けてています」
原口元気
─その指導を受ける前と後では、走り方やスピード感、実際のタイム等は変わってきているのでしょうか。
「実は、スピードを上げるためのトレーニングは、まだしていないんですよ。この2年半でスピードを出してもいい体がやっとできたので、この夏からようやく取り組み始めました」
─体ができるまでに2年半もかかったというのは、もどかしかったのでは?
「スピードを上げるトレーニングをすれば、始めて1カ月、2カ月で効果が出るらしいんですけど、そうなると本当にスピードが出始めた時に、止まれなかったり、それでケガをしてしまったりという恐れがあるということで、先生と話し合 って、まずはスピードが出始めてもケガをしないような体を作ろうというプログラムで、2年半、地道にやりました」
─そうなると、この夏以降が本当に楽しみですね。
「どんどんスピードが出てきてくれたら嬉しいですね。でも、ただ単に速くなったところで、結果が出なければ意味がないので、スピードばかりに目が行かないようにしないといけません。トレーニングのためのトレーニングではなく、試合で結果を出すためのスピードを身に着けられたらいいな、と思っています」
原口元気

どれだけ準備をしても結果が出なければ意味がない

─高校生の頃のお話も聞かせてください。高校時代、重点的に取り組んでいたことはありますか?
「高校生の頃は、ボールの技術的なことばかりやっていましたね。特に一対一の練習はよくやっていて、全体練習の後にサイドバックの子を捕まえて、ずっとやっていました。自分で考えながら、特徴を伸ばすことを意識していました」
原口元気
─「自分で考えながら」とは?
「一対一の練習でもバリエーションをつけて、わざと浮き球を出してもらってそこからスタートするとか。遊び心ですけど、『こういうシチュエーションがあるな』などと自分で考えながら高校時代からやっていました」
─では、高校からプロに入って変わった部分はありますか。
「簡単に言うと『サッカーがうまいだけじゃ何もできない』ということに、すぐに気づきました。自分がやりたいことだけをやっていてもうまくいかないので、フィジカル的なことであったり、チームプレーだったり、そういうことはプロに入ってから学びました」
─その後、日本からドイツに移籍します。海外では環境やメソッド等、全く違うと思うんですが、ドイツに行って最も衝撃的だったことは何でしょうか。
「サッカーのテンポが違いました。ボールを奪ったら前に行かないといけない。日本では『取ったボールを大事にしろ』と言われることが多いんですけど、向こうでは『奪ったら前へ』が基本なので、その違いは痛感しました。アップダウンはしていたつもりだったんですけど、その切り替えが速く、最初は慣れるのに時間がかかりました」
─ブンデスリーガの選手は、やはりJリーグの選手に比べてフィジカルは強いですか?
「そうですね。逃げたら終わりなので、負けてもいいからぶつかっていく、ということは最初にやりました。そうすると、負けないようなぶつかり方を覚えていけるんです。最初は当たっても勝てなかったのが、当たるタイミングや自分から当たりに行くすべを少しずつ学んでいくと、負けないような当たり方ができるようになってきます。もちろんフィジカル的な要素も上がったんですけど、タイミングや当たり方は、すごく上手になったかな、と思いますね」
原口元気
─ドイツで最も驚いたことは?
「日本人と外国人の違いだと思うんですけど、いい意味でパワーを開放するのがうまいですね。僕らは試合で100%のパワーを出すために練習や自主練をするという考えなんですけど、向こうでは自主練をやらない選手もいるんですよ。でも、そんな選手が試合になると誰よりも走るし、誰よりも戦ってくれる。一見、準備できていなさそうに見えて、実はものすごく準備ができている。出すべきところでパワーを出すのが、日本人よりも圧倒的に上手だな、と思います」
─それは見習うべきだと思いますか?
「日本人の良さはあると思いますが、日本人は“練習のための練習”になってしまうことが多いですよね。一番大切なのは試合なんだというのは、やっぱり忘れてはいけないし、どれだけ準備をしても、結果が出なければ意味がないですからね。『ちゃんとやったから、結果が出なくてもいいや』ではなく、結果を出すためにやるんだということを意識しなければいけないと思います」

Message from GENKI HARAGUCHI

原口元気
「僕は浦和レッズのユース時代、1日も早くトップに上がりたいと思いながらトレーニングしていました。毎試合ゴールを決めて、1日でも早くトップに上がる。それだけしか考えていなかった。そういう向上心というか、欲求をもっと爆発させるような気持ちを見せてほしいです。生意気でもいいから、強い気持ちを持っていてギラギラしている人間が絶対に勝つ、というのが僕の考えです。当時、ギラギラしていた僕ももう25歳なので、今の高校生の中から僕みたいな選手が出てきてほしいですね(笑)」
原口元気
取材当日のトレーニングで原口選手が実際に着用していた「マーキュリアル ヴェイパー」に、本人が直筆サインを入れてくれました! 抽選で1名様にプレゼントします。
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原口元気
原口元気 GENKI HARAGUCHI
1991年5月9日生まれ、埼玉県出身。小学生時代に全国制覇を経験するなど幼少期から注目され、浦和レッズのアカデミーからトップチームに昇格して主力として活躍。14-15シーズンからはドイツに活躍の場を移し、ヘルタ・ベルリンでプレーしている。切れ味鋭いドリブルを武器に好機を作る。
NIKE

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